校正とはすなわち岡目八目なのです
文章を書く当人として、その文章を他の人に校正してもらうというのはいささか不本意であると考える書き手がいるかもしれません。
これは当然のことで、文筆を生業とする人であれば、その文体そのものがその人の作品であると言えるので、他人のペン入れを受け入れるのは不満であるのは当然でしょう。
しかし私たちは一般に文筆業者ではないし、そういう立場でも仕事で文章を書くことはごく普通にある機会です。
ということは、ワードプロセッサーで文書を作成する際に、OSのかな漢字変換任せで文章を書いた場合、思わぬミスをしていることは、経験的にもしばしばあるものだと言ったら多くに人の同意が得られるはずです。
また自分自身でおかした変換ミスなどは、読み返しても気がつかないことが多いものです。
ここで必要になるのは、プロとしての校正担当者です。
客観的に文章を読んで理解し、執筆者にすらわからなかった誤変換や送り仮名の脱落、あるいは論理の矛盾にまで配慮して文章を校正してもらうことができます。
状況次第では当用漢字の知識が必要なケースがありますが、こうした問題はもうプロにしか任せられない領域でもあります。
そういう意味で文章を専門家に委ねることは、むしろ書き手本人が自分の書いた文章の責任を負うという意味でも、必要欠くべからざるプロセスになりうると承知しておくべきでしょう。
社会生活を送る私たちは普通忙しく、文章を書き終えたという過去の作業を振り返る余裕はあまりありません。
こうした部分は割り切って岡目八目の目に任せる必要を真剣に検討すべきではないでしょうか。